「論語」とは何かを知りたくてマンガを読んでみました

孔子

渋沢栄一の「論語と算盤」という言葉の、そもそも”論語”とはなんぞやを知るため
マンガ「論語と孔子」を読んでみました。

孔子、老子、孟子、莊子・・・
この辺りの人がごっちゃになっていましたが
マンガ読んだから、孔子だけはもう分かるヨ!!

絵柄が古っぽい感じがしたので昔のマンガかと思いましたが
今年発売されたばかりの本でした。

・「論語」とは何かを知りたい
・孔子の人生をざっくり知りたい
・人間の普遍の真理を聖人の言葉から学びたい

こんな方にオススメできる本です。
第1巻は現在、Kindle Unlimitedの読み放題で読めます。

ちなみに、こちらの本↓もKindle Unlimitedで読んでみました。
マンガ部分はかなりギャグっぽい感じで書かれていて、面白いです。

大切な言葉は注釈と解説がつくという作りです。

↓こちらもマンガで論語を勉強することができます。
今年発売されたばかりの2冊。

牛山ウシ子先生という、孔子を尊敬する中学校教師が出てきます。

もうちょっといい設定はなかったんかいな・・・

という残念な感じがしないでもないですが、
”孔子”と”ウシ子”で覚えやすいからなんでしょうね。

こちらのマンガは現代の設定で、今の人たちに通じる悩みを論語で解決していきます。
ちょっと感動するところもあって、面白かった。

論語とは何か

「論語」とは、紀元前551年に生まれた中国の孔子
その弟子の言行を弟子たちがまとめた書物。

・人としてあるべき姿
・理想の政治
・世界観

などが書かれています。

二千数百年にわたって読みつがれ、
儒学として発展し
日本では徳川幕府が必読文献として奨励しました。

現在でも儒教を重んじる韓国などでも影響は大きく
アジア諸国の「家族主義」の根底を支える思想になっています。

人として一番大切なことは、思いやり

紀元前といえば日本では縄文時代ですが、
こんな時代に中国では今に通じる哲学が生まれたんですね!

今の欲深い世界を孔子が見たら、どう思うのでしょう・・・

孔子のたどった道

孔子の父親は軍人、母親は巫女で正妻ではありませんでした。
その父親は孔子が3歳、母親は17歳のときに亡くなったそうです。

吾十有五にして学に志す
「15歳にして学問を志す」

の言葉のように、貧しいながらも子供時代から学問を志しはじめました。

その言葉に続く

三十にして立つ。
四十にして惑はず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳順(したが)ふ。
七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず

は、孔子が70代になり、人生を振り返ったときに言った言葉です。
特に、「40」は「不惑」という年で有名ですよね。

近所に住む竹径(ちくけい)という隠居暮らしの元役人から

・中国の歴史
・詩
・礼儀
・琵琶
・琴

などを教えられ、
学校に行くお金のなかった孔子はそこで多くを学んだそうです。

上級役人を目指し、試験を受けようとしましたが
学校を出ていないため断念。
いったんは村役人をしたりして生計を立てました。

28歳になり、村役人をやめて

「孔丘学塾」

という塾を開き、徐々に弟子も増えていきます。

ちなみに、「孔丘」は孔子の子供の頃からの名前で、
生まれたときに頭が丘のように平らだったことから名付けられました。
「孔」が名字。
のちの「孔子」の「子」は、”先生”という意味です。

役人になり、政治の舞台に関わって世の中を正しい方向に導きたい

高い志を持っている孔子ですが、
なかなかチャンスが巡ってきません。

塾の中でも優秀な弟子たちを従え、諸国漫遊の旅に出かけます。

脱線

孔子
いらすとやに”孔子”がいた・・・

旅をしながら見聞を広めていった孔子たち。

途中で政治に関わり、大臣になったりしたものの
トップのだらしなさに落胆し、またしても放浪の旅に出かけます。

68歳で祖国の魯(ろ)に帰り、歴史書の編纂や古典の研究をし、
73歳で他界。

弟子たちはその後何年も喪に服しました。

孔子の人生から思うこと

まずは、そんな昔の中国にこんなすごい思想家がいたという驚き。

紀元前5世紀から学歴社会だった中国に比べると、
日本はまだ弥生時代にも入っていなくて
この文明の差はすさまじいと感じます。

縄文式土器も素敵だけど・・・
まだムラもできてなかった日本。
かたや中国では音楽などの文化や詩、学問など
日本のはるか先を行ってます。

そして孔子の、自分の能力に合った仕事を求めるため
何年も、何十年も弟子を引き連れ放浪するという生き方。

かなりのカリスマ性がないと、誰もついてこなかっただろうなと。

一節によると

2メートルを超える身長

があったそうで、
それだけでも目立つ存在だったのかもしれません。

そしてそのあまりにも立派で高い理想を持つ孔子は
汚職にまみれた政治の世界にちゃんと受け入れられることができなかったのかもしれない。

でも、2500年経っても不滅の人間の真理を説いたその功績は素晴らしく、
今後もずっと受け継がれていくと思います。

孔子の言葉

500以上も遺されている孔子の言葉から、
心に残ったものを抜粋します。

義を見てせざるは 勇無きなり

すべきだと分かっていながら行動しないのは、勇気がないということ

自分の信念があり、行動すべきだと確信したところで
そこで頭の中で考えているだけではダメってことですね。

過ちて改めざるこれを過ちという

失敗しても、それを改めずにいることこそが失敗である

誰しも失敗することはありますが、
そこで反省しなかったり人のせいにしたりしていては、成長がないし
それこそが失敗である。
逆に、ちゃんと失敗を認めて改善していくことは成功につながるので
逃げずに誠実に対処しよう!

己の欲せざるところ、人に施すことなかれ

自分がして欲しくないことは、他人にしないようにしよう

小学生でもわかるようなことだけれど、自分勝手な人っているものです。
相手の立場に立って物事をとらえるようにしたいですね。
逆に、自分がしてもらって嬉しいことを、他人にするように心掛けたい。