なんで自分ばかりこんなひどい目に遭うんだろう・・・
自分だけ我慢すれば、それでうまくいくなら・・・
この変なモヤモヤを、長年持ってきました。
でも、最近は少しずつ自分が変化してきているのを感じます。
嫌なことは嫌と言い、
好きなことは好きと言えるようになってきたかな。
年を取ったのもあるんでしょうけど
ここ数年は、さまざまな本を読んで参考にしてきました。
その中で、特に面白くて刺さったのが、この本です。
なんとなく行き詰まった感じのときに読み直すと
ちょっとぶっ飛んだこの思想に生きる勇気がわいてきます。
遠慮なんかせずに、どんどん突き進めばいいのか!と。
岡本太郎と言えば、
芸術は 爆発だーーー!
の言葉と、「太陽の塔」で有名ですよね。
普通じゃないイメージです。
そして、この本も非常に本質的で、生きることを真正面から逃げずにとらえていると感じます。
このような思想だから、あの作品が出来上がるのかと。
そんなふうに生きてみたい?
できないと思ってる?
できるよ!
本の中で、そう言ってもらえます。
でも、決して押し付けではないし
奇をてらっているわけでもありません。
ふむ、近視眼的になっている今を、ちょっと見直そう
と、とても前向きになれます。
どんな方にも、ぜひぜひ読んでもらいたい本です。
重いのに、なぜか読後感は軽やかです。
あと、語学ができるとやっぱり世界が広がっていいなぁと再認識できます(^^)
ちなみに、太陽の塔は大阪万博以来、内部を見ることができなかったのですが
現在は一般公開しているそうですよ!
いつか絶対行く!
本の概要
自分の中に毒を持て〈新装版〉/岡本太郎
著者が1993年に出した文庫本の新装版。亡くなる3年前に書き残した。
今を生きる人々を叱咤激励している。自分の人生を振り返って、この世に生まれ出た瞬間から、小学校時代、パリ留学時代、今日に至るまでを「決められた枠にはまらずに、自分の思いを爆発させ続けてきた連続だ」と言う。
著者の主張は明快だ。「集団に馴染むために個性を殺すな。1人ひとりが本気で考え、自分の思いを爆発させなければ、世界はつまらなくなる」。
何かを生み出すためには、自分を追い込むことが必要だ、という言葉は芸術家として生き抜いた著者の叫びだ。
数々の前衛的な芸術作品に込められた熱く厳しいメッセージが伝わってきて、勇気づけられる。
(日経ビジネス 2002/02/11 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
— 日経BP企画
著者のプロフィール
岡本太郎
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参画。
パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。
40年帰国。
戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。
51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。
70年大阪万博で『太陽の塔』を制作し、国民的存在になる。
96年没。
目次
<第1章>
意外な発想を持たないと あなたの価値は出ない
ーー迷ったら、危険な道に賭けるんだ
・自分の大間違い
・”モノマネ”人間には何も見えない
・一度死んだ人間になれ
・直線と曲線の違い
・”捨てる主義”のすすめ
・らくに生きる人間は何を考えているか
・エゴ人間のしあわせ感覚
・好かれるヤツほどダメになる
<第2章>
個性は出し方 薬になるか毒になるか
ーー他人と同じに生きていると 自己嫌悪に陥るだけ
・”爆発”発送法
・道は一本か、十本か
・正義の裏・悪の裏
・成功は失敗のもと
<第3章>
相手の中から引き出す自分 それが愛
ーーほんとうの相手をつかむ愛しかた愛されかた
・愛の伝え方を間違えると
・”その一瞬”を止める方法
・男と女に知的関係はあるか
・自分の愛とその人の愛の違い
・失ったときからはじまる愛
<第4章>
あなたは常識人間を捨てられるか
ーーいつも興奮と喜びに満ちた自分になる
・きれいになんて生きてはいけない
・頭を遊ばせて世の中を見てみよう
・”爆発”の秘密
・自分を笑ってごらん
・むなしさの生みの親
・あなたは何に燃えたいか
印象に残ったキーワード
この本は、出だしからこんな感じで始まります。
人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。
ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。
財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。
軽やかに、人間力だけで乗り越えていけると背中を押されます。
この本は、全体にこのような熱いメッセージが散りばめられているんです!
好かれる必要はない
好かれる必要はない。売らないという前提で絵を描き、あらゆる面で権威主義にたてつき、いわば常識を超えて、人の言わないことをあえて言い、挑んだ。
これが、口先だけの人間が言う言葉ならただのカッコつけでしょう。
でも、岡本太郎は「危険な道をとる」と決意し、それを実行しました。
人の好む”高尚な”芸術とは真逆の、
真赤、真青、黄色などの原色で思いをぶつけ、言葉にしています。
すごい意思と情熱です・・・
また、1940年、パリに留学していた岡本太郎は
ドイツ軍がパリを占領する直前にヨーロッパを去り、
太平洋戦争突入前夜の日本に帰ってきて、戦争も体験しています。
本当に何もないその時代に、
媚びることなく”食えない”絵で挑み続ける。
それが生きているという実感、つまり喜びを超えた「歓喜」につながるのだと。
成功とはいったい何?
人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
夢がたとえ成功しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。
成功の定義は、人によってさまざまだけれど
これを読んで感じたことは、
”自分で決断して努力したことは、たとえ達成できなかったとしても納得できるし、その挑戦こそが成功”
と言えるのかなと。
周りの人から「無理」とか「今からじゃ遅い」とか言われても
自分のほんとうにやってみたい事に挑戦する人生にしたい!
と元気の出る言葉です。
危険だと思う方を選ぶ
危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。
だから、そっちに進むべきだ。
ぼくはいつでも、あれかこれかという場合、これは自分にとってマイナスだな、危険だなと思う方を選ぶことにしている。
「怖い」と思うことって、実はやってみたいこと。
できるかどうかはわからないけど、チャレンジした時のことって
傷だらけになっても満足感はありますよね。
”いずれ”と絶対に言わない
「いまはまだ駄目だけど、いずれ」と絶対に言わないこと。
”いずれ”なんていうヤツに限って、現在の自分に責任を持っていないからだ。
いずれこうしたい・・・という希望はあるのですが
それって「まだ自信がないからできない」ということですよね。
先延ばしにして、責任を負いたくないという思考。
私もよく先延ばしにするので、色んなチャンスを失っていると思います。
逆に、「えいっ!」と思って挑戦したことは、良い思い出になっているし学びも多いです。
やらなければならない、ベストをつくさなければならないのは、現在のこの瞬間にある。
この本読んだ瞬間は覚えているんだけど!笑
下手にやれば、人生が面白くなる
熟すということは、技能や熟練とは関係がないというのがぼくの信念だ。
芸術はもちろん、スポーツも歌も会話もすべて、下手なら、むしろ下手こそいいじゃないか。
そう思って平気でやればいい。
もっともっと下手にやろうと決心すれば、かえって人生が面白くなるかもしれない。
むしろ、歌やスポーツや会話のうまいなんてヤツにかぎって世間の型や基準のもとに決められちゃって、
それに馴らされている人間だ。
この文章がすごく好きです。
そうなんです!!
下手でいいんですよね!!
しかも、下手な方がいいんですよね!!
”即戦力”とか”効率化”ばかり求めていると
本当の意味での人生の楽しさを忘れてしまいます。
私のとある習い事の先生が、おっしゃってました。
「習い始めのころに戻りたい!今、どんなに頑張っても、昔みたいにどんどん吸収する楽しさは味わえないのよ。」
これから先も、どんどん新しいことにチャレンジして行きたくなるような
素敵な言葉だなと思いました。
まとめ
しつこいようで申し訳ありませんが、
よかったら読んでみてください。
ちょっと違和感があったり、難解だったりするかもしれませんが
何年も前に書かれた本なのに何度読んでも必ず熱いパッションをもらえます!
今日はとっておきの本を紹介しちゃったなぁー(^^)