「スマホ脳」を読んで、スマホとの向き合い方を考えさせられた

スマホ脳

「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」

その答えが、本書の中に・・・😱

スマホを作った本人が、危険性についてよく分かっていたようです。

スマホって、時間泥棒になるだけでなく、
もっと深刻な「脳」への影響があるんですね。

この本を読むと、

✔人類がなぜスマホに夢中になってしまうのか

✔デジタル社会に「こっそり」仕組まれた罠

✔スマホで失われた集中力を取り戻す方法

などが書いてあり、
自分だけでなく、デジタルネイティブ世代の子どもたちにも読んで欲しいと思いました。

ついついスマホに時間を取られてしまう
だけじゃない
心への影響を深く掘り下げてあります。

この本は世界的ベストセラーになっており、
売上は40万部突破しているようです。

スマホ依存の問題は、世界的な関心事ですね。

本の概要

「スマホ脳」 アンデシュ・ハンセン著 久山葉子訳

目次

第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
第6章 SNSー現代最強の「インフルエンサー」
第7章 バカになっていく子供たち
第8章 運動というスマートな対抗策
第9章 脳はスマホに適応するのか?
第10章 おわりに

著者のプロフィール

アンデシュ・ハンセン
1974年生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。
前作「一流の頭脳」が人口1000万人スウェーデンで60万部の大ベストセラーとなり、
世界的人気を得た精神科医。
名門カロリンスカ医科大学で医学を学び、
ストックホルム商科大学でMBAを取得。 

内容

スマホのある生活は、せいぜいここ10年ほどの話だが
人類の長い歴史を見ると、この一変した世界に適応できているはずがない

実際に、ここ10年で集中力が落ちたり、心の病が増えたりしているのは
スマホが関係していると言わざるを得ない。

SNSには脳の報酬中枢をあおる仕組みがたくさん仕掛けられており、
特に未熟な若者や、インフルエンサーにあこがれる女子たちがとりこになってしまう。

その脳の仕組み、今後の影響などは
実はまだ歴史が浅いこともあり、全てがわかったわけではない。

しかし、「便利」になったはずの生活が、実はSNSなどにより
お金や健康など、人として大切なものを搾取されている事実に気づかないといけない。

スクリーンから離れること、運動をすることなどの提案も。

印象に残ったキーワード

ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えること

ドーパミンと聞くと、「報酬物質」とか「生きる原動力」みたいなイメージで、それはそれで間違いではないのですが、
実は、必ずしも全て成功する必要はないらしいです。

どういうことかと言うと、
数回に一度しか成功しなくても、時々成功するとハマってしまい、
何度も繰り返してしまう。

しかも、
確実に成功する時より、数回に一度成功する方が、ドーパミンが多く出るそうです。

人間は、生きていくために成功を「期待」して、その動作を諦めずに繰り返し、
それによって報酬を何とか得ることができるために、ドーパミンが出るようです。

「もしかしたら」がスマホを欲させる

現在は、「木の実(いつもではなく、時々なる実)」ではなく「情報」が命綱です。

その情報が、更新されているかどうか、
他人からの評価がついているかどうか、

そういう事が、一番の関心事になっているため
メールの通知が来た時にドーパミンがその「ワクワク感」を知らせるようです。
依存のような状態ですね。

サイレントモードでもスマホは私達の邪魔をする

大学生500人を使い、記憶力と集中力を調査したところ、

スマホを教室の外に置いた学生のほうが、
スマホをサイレントモードにしてポケットに入れたままにした学生よりも
良い結果が出た

そうです。

無意識でもスマホの存在って気になりますよね。

同様に、睡眠時の調査もしてみたところ、
やはり寝室にスマホを持ち込んだ人の方が眠りが浅いことが分かりました。

スマホを触ってないにも関わらず、
そこに「ある」という状態だけで、集中力が乱されるようです。

食事中に、机の上にスマホを置いていると
話の内容を深く聞くことができない
のも、同じ現象だそうです。

集中力を阻害し、対人関係における「共感力」も低下するそうです。

まとめ

読んでいくうちに、自分自身がどれほど依存しているのか考えさせられました。
特に、Twitterの最初の画面がなかなか表示されない仕組みについて
ただ単に「ネットが遅いから?」と思っていた私は衝撃でした。
(わざとだそうですよ!)

スマホを忘れた時の、ソワソワ感といったら・・・

ただ、ネガティブなことばかり書かれているとはいえ、
最後の方のページに、【デジタル時代のアドバイス】として対処法が詳しく書かれています。

✔スマホの表示をモノクロにする

✔スマホを寝室に置かない

などなど、参考になる(けれども、意外と実行は難しい)ことが載っているので
読んだ後に絶望だけじゃなく、何とかしなきゃ、と前向きにもなれます。